AIが進化しすぎてハーネスが技術負債になる
AIが進化しすぎてハーネスが技術負債になる

AIが進化しすぎてハーネスが技術負債になる

はい、どうもこんにちは佐藤です!

最近、新しい言語に乗り換えることになって、開発基盤を一から作り直す機会がありました。

1 年前から少しずつ育ててきたものです。可愛がってきた自信作でもあります。移植なんて写経みたいなものでしょ、と鼻歌まじりでタイムカプセルを開けました。

そうしたら、中から出てきたのが呪いの装備でしてね。

AI が賢くなりすぎて、去年組んだハーネスがまるごと足枷になっていたんです。

しかも足枷になった理由が、単なる「古くなったから」ではありませんでした。もっと根が深くて、ちょっと笑えない話です。

その理由を書いていきますね!


言語を変えて作り直したら、AI の実力に震えた

1 年前の私は、AI をどう評価していたか。正直に言うと、ジュニアエンジニアクラスだと思っていました。

賢いんです。飲み込みも早い。でも、どこかが抜ける。「さっきと同じように作って」と頼んでも、3 回目くらいから作風が変わってくるんですよね。芸術家かよ、と。だから人間が間に入って、逸脱を止める仕組みが必要でした。

今回、同じ指示を今の AI に投げてみました。評価は完全に変わりました。もうミドルからシニアクラスの実力を発揮してくるんです。

人事評価だったら異例のスピード出世ですよ。1 年で 2 階級。上司として鼻が高い……などと言っている場合ではありませんでした。

それどころか、AI に代替できないと思っていた直感的な部分まで超えてくる場面があったんです。ここは人間の領分だろう、と勝手に線を引いていたところに、平然と足を踏み入れてくる。

怖いわ! と声に出ました。誰もいない部屋で。

去年組んだハーネスは、設計書からコードを生成する仕組みだった

なぜ震えたのか。それは、去年組んだハーネスの正体が関係しています。

1 年前の AI は「同じように作って」を体現できませんでした。だから私は、設計書からソースコードのボイラーテンプレートを出力する仕組みを作ったんです。

人間が設計書を見て許可を出し、その設計書どおりに AI へ同じものを量産させる。要するに、暴れる新人に定規を持たせて「この線からはみ出すな」とやっていたわけですね。

融通の効かなさを、人間の目でカバーする。1 年前はそれが最適解でした。

実はこの手法、前から悪手だと知っていた

ただ、白状すると、設計書からソースコードを出力するスタイルが危ういことは、前から知っていました。

というのも以前、労働集約型の案件で、まさにこの采配をする人の下で働いたことがあるからです。全員に同じコードを書かせたいなら、設計書からテンプレートを打ち出す運用にたどり着きます。発想としては、まあ自然なんですよ。

でも、メンテする側にとっては地獄でした。

必ずどこかで「このケースだけ融通が効かない」が出てきます。だから設計書とテンプレートを直す。直すと、別のケースが引っかかる。そこも直す。すると最初に直したところが……という、終わらないモグラ叩きです。しかもモグラは増える一方でした。

そういう現場を見てきたはずなのに、1 年前の自分は同じ構造のハーネスを組んでいます。

過去の自分に文句を言ってやろうと当時のメモを漁ったんですが、判断の理由が全部きれいに書いてありましてね。当時はそれがベストだったんです。AI の実力不足を、テンプレートで押さえ込むしかなかった。ぐうの音も出ませんでした。

今は「ラフ書き→コード→リバース」が現場の標準になった

では、今の AI 相手だとどうでしょうか。

「同じように作って」の精度が、1 年前とは比べ物になりません。しかも、逸脱していい部分まで丁寧に汲んで書いてくれるんです。定規はとっくに要らなくなっていました。

こうなると、設計書をガチガチのテンプレートにする意味が消えます。むしろ、自由が効かなくなる分だけ足枷ですよね。子どもがとっくに乗れるようになった自転車に、補助輪をネジ止めしているようなものです。転ばないけれど、まったく進みません。

結局、今の現場でうまく回っているのは逆の順番でした。設計書はテンプレートを決めないラフなメモ書きにして、先に実装を進める。動いたソースコードから、あとで設計書をリバースする。今の AI ならこれができてしまうのです。

1 年前なら炎上一直線だった運用が、いまは普通に選択肢に入ってくる。ここまで実力が変わるとは、さすがに読み切れませんでした。


まとめ

というわけで、AI が進化しすぎて、去年組んだハーネスが技術負債になっていたよ! って話でした!

あ。正確には、ハーネスは賞味期限つきの道具って感じですねっ。

去年組んだ瞬間は、間違いなく最適解だったはずです。でも AI の実力がチームの入れ替わりに匹敵するペースで変わっていく以上、ハーネスもチームに合わせて整備し直す対象になります。放っておくと、守るための仕組みがいつの間にか自由を奪う足枷に変わっているんですよね。

新人だと思って渡した定規を、シニアがまだ握らされている。そんな現場になっていないでしょうか。

ぜひみなさんも、去年組んだハーネスを一度疑ってみてください!

この記事をシェアする