ITエンジニアは「戦艦」を降りて、「戦闘機」になれ
はい、どうもこんにちは佐藤です!
「AI で仕事が奪われる」という議論、相変わらず盛り上がっていますよね。
でも私が感じているのはもう少し解像度の高い話で、「仕事が奪われる/奪われない」ではありません。
ゲームのルール自体が変わった。 これだけです。
そして、このルール変更によって得をするのは、間違いなく「できるエンジニア」側です。その理由を書いていきますね!
私の時代がキターーーー!
これまでのエンジニアは「戦艦」だった
人数こそが正義だった時代
これまでの IT エンジニアの働き方を一言で表すなら、「戦艦」です。
いろいろなスキルレベルの人が集まり、多人数で一つの巨大な船を漕いで戦いに行く。なぜそんな非効率に見えることが成立していたかというと、IT 業界が極めて労働集約型のビジネスモデルだったからです。
SES 事業が流行り、多重下請け構造の中で「とにかくプロジェクトに人を突っ込む」ことで利益を上げる。個人の能力より頭数。質より量。そういう時代が長く続いていました。
対照的に、営業やコンサルタントは昔から「戦闘機」でしたよね? 単騎で現場へ飛んでいき、自らの腕一つで成果を上げて帰還する。一人ひとりの成果がダイレクトに評価される世界です。
エンジニアにはそれがなかった。ずっと。
ほんとうに……ずっと。
100人で弾くショパンと、評価されない個人の悲劇
戦艦モデルの弊害は、圧倒的な「個人の価値の希薄化」です。
人が多いがゆえに、多数の人員を束ねるマネジメント能力ばかりが重宝され、実際に手を動かす能力の高いプレイヤーが正当に評価されませんでした。
例えるなら、1人でショパンを弾ける天才がいるのに、100人を集めて「お前はこの鍵盤を叩け」と指示を出し、無理やり一曲を奏でさせるようなものです。100人を統率する方が難易度は高いかもしれませんが、出来上がる音楽は同じ。結果として「本当に弾ける人」の評価が低く据え置かれる構造になっていました。
私自身、この理不尽を身をもって経験しています。
自分が先輩になった時、エビデンスのスクショすらまともに撮れない後輩のフォローで、実質 2 倍働いていた時期がありました。「なぜ、自分より全く動けない人間と給料が同じなのか」という憤りは、今でも鮮明に覚えています。
AI がゲームのルールを破壊した
一人で出せる成果の桁が変わった
しかし、この理不尽なゲームのルールを、AI が完全に破壊しました。
生成 AI の登場により、エンジニア一人で出せる成果の桁が変わったのです。凡庸なエンジニアが何十人集まったところで、Cursor などの最新ツールを駆使する「できるエンジニア」1 人には到底敵わない、という状況が現実になってきています。
かつての戦艦モデルが成立していたのは、一人の能力差に上限があったことも理由の一つです。ところが AI はその上限を大幅に引き上げました。うまく使える人と使えない人の差が、そのままアウトプットの差として直接現れるようになったのです。
ハンズオンテックリードが一人で全部担える時代
今や、ハンズオンのテックリードとして手を動かしながら、営業や企画フェーズからプロジェクトを完全にコントロールすることも可能です。
DDD などをベースにした緻密なアーキテクチャ設計、圧倒的な保守性の高さ、そして実装スピード。これらすべてを一人で担保し、一つのサービスをゼロから作ってリリースできるほどの戦力を出せるようになりました。
以前なら 5 人チームでこなしていたスコープを、できるエンジニア 1 人が回せてしまう。これが現実です。
エンジニアも「才能の世界」に引き込まれた
個人の成果が直結するフィールドへ
つまり、エンジニアもついに、営業と同じ「個人の才能と成果が直結するフィールド」に引き込まれたのです。
良いことです。本当に。
今まで能力差があっても同じ船に乗せられて、同じ給料で消耗させられていたエンジニアが、ようやく自分の価値を正当に問える場所に立てるようになりました。
戦艦に残ることのリスク
一方で、今まで通りの戦艦モデルに残り続けることのリスクも高まっています。
IT 業界の変化は激しく、この調子で今まで通りのやり方が通用し続ける保証はどこにもありません。多人数の組織に守られながら「平均的な成果」を出している状態は、AI がその多人数を代替していく中でどんどん居場所を失っていくでしょう。
FIRE などの将来の目標を見据えるにしても、まずは一人の技術者としての価値を極大化させることが先です。大きな船に乗っているうちは、自分の市場価値がどこにあるのか分からないままになります。
まとめ
というわけで、エンジニアよ戦艦を降りて戦闘機になれ!って話でした!
あ。正確には、AI がゲームのルールを変えた今、個人の技術力が直接評価される世界になった って感じですねっ。
もしこれを読んでいるあなたが「できるエンジニア」であるなら、その事実に一刻も早く自覚的になるべきです。他人のフォローで消耗する巨大な戦艦を降り、一人の力を最大化できる環境に身を置く。それが AI 時代の正しい戦い方です。
ぜひ、自分が戦闘機として飛べる場所を探してみてください!